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崔 炳賢; 西田 明美; 糸井 達哉*; 高田 毅士*
Geosciences (Internet), 8(1), p.1_1 - 1_22, 2018/01
東北地方太平洋沖地震の後、非常に広い領域において余震が多発した。ことのよう余震により二次災害や救助活動・復旧作業の遅れが発生した。しかし、本震が発生する前に余震ハザードを評価することは不確実さが大きいため容易ではない。一方、巨大地震が発生すると、大きな不確実さのもとで意思決定をしないといけないので、その不確実さを定量化することは重要である。われわれは将来の巨大地震に対する復旧活動計画のための確率論的余震ハザード解析法について発表した。本稿では、提案された確率論的余震ハザード解析の活用法について検討し、工学的応用例を示す。まず、復旧活動計画に活用するための余震ハザードマップを提案する。続いて、避難ビルや原子力施設等の耐津波設計における余震と津波の同時考慮のための荷重耐力係数を導出する手法について提案する。
杉野 英治*; 伊藤 裕人*; 鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀
日本原子力学会和文論文誌, 4(4), p.233 - 241, 2005/12
本研究の目的は、既存の軽水炉原子力発電プラントの長期利用の観点から、安全上重要な機器構造物の経年変化事象を適切に考慮した地震時構造信頼性評価手法を確立することである。そこで、1次冷却系配管における応力腐食割れや地震荷重による疲労き裂進展などの経年変化事象に着目し、確率論的破壊力学に基づいた配管破損確率評価コードPASCAL-SCと、プラントサイトの地震発生確率及び地震発生確率レベルに応じた地震動を算出するための確率論的地震ハザード評価コードSHEAT-FMを開発し、これらを組合せた経年配管の地震時構造信頼性評価手法を提案した。この手法を用いてBWRモデルプラントの再循環系配管溶接線の1つについて評価した。その結果、経年配管の破損確率は、運転時間がある時期を過ぎると急激に増加する傾向にあり、相対的に地震荷重よりも経年変化による破損の影響が大きいことがわかった。
内山 智曜; 及川 哲邦; 近藤 雅明; 渡辺 裕一*; 田村 一雄*
JAERI-Data/Code 2002-011, 205 Pages, 2002/03
本報告書は、地震に対する原子力発電所の確率論的安全評価(PSA)におけるタスクの1つであるシステム信頼性解析を目的として原研で開発してきた地震時システム信頼性解析コードSECOM2の使用手引としてまとめたものである。SECOM2コードには、炉心損傷または任意の頂上事象の発生条件を表すフォールトツリーとそれを構成する機器等の耐力や応答に関する情報、地震危険度曲線等を入力として、応答係数法に基づいた地震動レベルごとの機器損傷確率やシステム機能喪失確率の計算,当該サイトでの地震危険度曲線を組み合わせた事故シーケンスの発生頻度や炉心損傷頻度の計算,さまざまな指標を用いた重要度評価,不確実さ解析,応答及び耐力の相関性を考慮した炉心損傷頻度の評価等を行う機能がある。本報告書では、これらSECOM2の機能について計算方法を示し、各機能を用いる際の具体的な使用方法について説明する。
山田 博幸; 堤 英明*; 蛯沢 勝三*; 鈴木 雅秀
JAERI-Data/Code 2002-001, 161 Pages, 2002/03
地震ハザード評価コードSHEAT(PC版)は、当初大型計算機用に整備されたSHEAT(Seismic Hazard Evaluation for Assessing the Threat to a facility site)コードの操作性能と汎用性の向上を目的として整備された計算コードである。PC版では、大型計算機で動作していたFORTRANソースコードがWindows上で動作可能であるとともに、大型計算機でのジョブコントロール機能をGUIに置き換えて操作性を向上させた。地震ハザードは、特定サイトでの地震動レベルごとの年あたり超過発生頻度として定義される。評価手順は、まず、対象サイト周辺での将来の地震発生(発生位置,マグニチュード及び発生頻度)を、歴史地震データ,活断層データ及び専門家の技術的判断に基づきモデル化する。次いで、対象サイトにおける確率論的地震ハザード計算では、モデル化した各地震がもたらす対象サイトでの地震動を、地震動距離減衰式とその標準偏差を用いて計算する。さらに、地震動レベル毎の発生頻度をすべての地震について足し合わせることにより当該サイトの地震ハザードを計算する。本報告書は、PC版SHEATコードの使用手引きであり、(1)SHEATコードの概要,(2)サブプログラムの機能と計算モデル,(3)入出力データの説明,(4)サンプル計算の結果,(5)操作マニュアルの各内容を記述している。